BRICS首脳会談、インドで開催 戦争と米中緊張が試す連合体
BRICS首脳がインドで会合し、貿易協力と地政学的緊張への対応を議論する。
BRICS首脳らが2026年9月12日、インドのニューデリーでサミットを開催する。貿易・投資・世界紛争を主要議題とし、途上国の発言力強化を図る。ウクライナと中東の戦争、米中対立が加盟国の足並みを試す中、11カ国体制で世界人口の約半分を代表するグループの結束が問われる。
BRICSの拡大と現在の構成
BRICSは2006年にブラジル、ロシア、インド、中国で発足し、2010年に南アフリカが加わった。その後2024年以降にさらに6カ国が加盟し、合計11カ国となった。インド外務省によると、このグループは世界人口の約半分と世界経済の大きな割合を占める。
サミットで議論される主要議題
首脳らは経済協力、エネルギー、食料安全保障、技術、サプライチェーン、国際機関改革を話し合う。米国ドル依存の低減も優先課題で、自国通貨による貿易拡大や西側主導の金融機関に代わる仕組みを推進する。
中国とロシアの戦略的狙い
中国とロシアはBRICSを西側、特に米国の影響力低下の手段と位置づける。プーチン大統領はニューデリーのビジネスフォーラムで「BRICSは誰かに反対するものではない」と述べ、モスクワは世界各国との協力に前向きだと強調した。
イランの通貨多様化提案
イランのペゼシュキアン大統領は、BRICS加盟国間の貿易で自国通貨の利用拡大を最重要課題の一つと位置づけた。テヘランが直面する制裁や米国の封鎖に対抗する仕組みを求めている。
インドの外交的バランス
インドはロシアやイランとの伝統的関係を維持しつつ、米国や欧州との経済・防衛・技術協力を深めている。モディ首相はプーチン大統領やペゼシュキアン大統領と個別に会談し、中国との関係改善も模索する。
共同声明の難航と今後の課題
5月の外相会合でイラン戦争をめぐり共同声明が出せなかった前例があり、議長国インドは議長サマリーで対応した。今回のサミットでも加盟国の立場の違いが表面化する可能性がある。
よくある質問
BRICSに加盟している国は?
現在11カ国が参加し、創設メンバー4カ国に南アフリカと6カ国が加わった。
ドル離れは具体的にどう進む?
加盟国は自国通貨による貿易決済の拡大を議論しており、代替決済システムの構築を検討している。
インドはなぜロシアと米国の両方と関係を保つ?
インドはエネルギーや防衛でロシアに依存しつつ、技術や投資で米国との関係を重視する戦略を取っている。
中国はBRICSで何を目指す?
中国はBRICSを米国の影響力に対抗する枠組みとして位置づけ、加盟国間の協力を深めている。
サミットの成果は期待できる?
経済分野では一定の合意が得られやすい一方、紛争関連では立場の違いから共同声明が難しい場合がある。
主要なポイント
- BRICSは11カ国で世界人口の約半分を代表する。
- 自国通貨貿易の拡大が主要議題の一つ。
- 中国とロシアは西側影響力の低減を狙う。
- インドはロシア・イランと米国の間でバランス外交を展開。
- 中東情勢の拡大懸念がサミットの結束を試す。
今後の展望
BRICSは新興国・途上国の声の増大を目指すが、加盟国の多様な利害が一致するかは不透明だ。2026年9月の会合は、グループの今後の方向性を示す重要な機会となる。