最高裁、トランプ大統領のホワイトハウス宴会場建設継続を暫定的に認める
米最高裁判所は、トランプ大統領がホワイトハウス旧イーストウイング跡地に宴会場を建設する計画について、議会の承認なしに工事を継続できると暫定的に判断した。
The Launchpad Journal
最高裁、宴会場建設の一時停止命令を棚上げ
米連邦最高裁判所は8月21日(金)、ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスのイーストウイング跡地に建設を進めている大型宴会場について、議会の承認を得ることなく工事を続けることを当面認める決定を下した。ジョン・ロバーツ最高裁長官が署名した簡潔な命令により、下級裁判所が出していた工事中断命令は棚上げされた形となっている。
この宴会場建設プロジェクトは、総工費が少なくとも3億ドル(約450億円)に達すると試算されており、当初トランプ大統領が「納税者に費用を負担させない」と繰り返し主張していたにもかかわらず、実際には多額の公費が投じられる見通しとなっている。
歴史的建造物の保護団体が提訴
今回の最高裁の判断は、非営利団体「全米歴史的建造物保存財団(National Trust for Historic Preservation)」がトランプ政権を相手取って建設差し止めを求める訴訟を起こしてから、数か月にわたる法廷闘争の末に下されたものだ。同団体は、大統領がイーストウイング跡地に建物を建設するには議会の承認が必要であると主張してきた。イーストウイングはかつてファーストレディのオフィスが置かれていた区画にあたる。
計画によると、この宴会場はホワイトハウス本館の約2倍に相当する9万平方フィート(約8,360平方メートル)規模の施設となる予定だ。トランプ大統領は建設の必要性を長らく訴えており、外国要人を接待するためのスペースが不足していることを主な理由として挙げている。また、爆弾シェルター、医療施設、狙撃手配備スポット、ドローンポートなど、国家安全保障上の機能も備える施設になるとも説明している。
下級裁判所では判断が割れる
最高裁が判断を示すまでの数か月間、下級裁判所では相反する判決が相次いで出ていた。共和党系の連邦判事リチャード・レオン氏は今年3月、安全保障に関わる増築でない限り工事を停止するよう命じる判決を下した。その後、コロンビア特別区連邦控訴裁判所が一時的に工事継続を認め、レオン判事は地下工事のみ継続可能とする判断を追加した。
トランプ政権はその後、控訴裁判所に再び申し立てを行ったが、さらに最高裁へ緊急上訴を要請した。
保存財団は最高裁に提出した書面の中で、工事継続を認めることは実質的にこの裁判の幕引きを意味すると警告していた。「これまでこの計画を審査したすべての裁判所が明らかに違法と認定しているにもかかわらず、申請者は司法審査の手が届かないところへ逃げ切ろうとしている」と同財団は批判した。
世論はおおむね否定的
トランプ大統領はSNS上でこの判決を歓迎し、「米国最高裁判所のご判断に感謝する。ホワイトハウスの神聖な敷地内に建設される軍事・宴会場複合施設は、国家安全保障にとって極めて重要であり、この種の施設として最高のものになるだろう」と投稿した。
宴会場の建設工事は昨年7月に始まり、それ以来ホワイトハウス北側とラファイエット広場へのアクセスが一般市民に対して閉鎖されている。両区域はこれまで公共の空間として開放されてきた場所だ。
世論調査では、このプロジェクトへの反発が根強いことが示されている。ワシントン・ポスト、ABCニュース、イプソスが共同で実施した4月の調査では、イーストウイングの解体と宴会場建設に反対するアメリカ人が56%に達した。今回の最高裁の判断はあくまで暫定的なものであり、本案審理における最終的な判決とは異なる点に留意が必要だ。今後も法廷での攻防は続くとみられ、この問題が政治的な注目を集め続けることは確実だ。